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(2)政府及び各省庁の取り組み

アメリカ政府としては、1997年以降の調達業務は全て電子データを使うこととが決定しているため、ECAPMOやFACNETなどの具体的な取り組みが進められている。又、商務省をはじめ、各省庁でも技術の向上やインフラ整備について様々な研究、実践が行われている。

 

?@ 連邦政府としての取り組み

アメリカでは、クリントン政権が1993年10月に電子商取引に関するメモランダムを発表し、連邦政府機関における97年1月以降の10万ドル以下の調達業務はすべて電子データを使った調達に切り替えらることになった。

さらに連邦政府の調達に関しては、連邦政府で取り組まれており、調達の一元化を管理する組織としてECAPMO(Electronic Commerce Acquisition Program management Office)が設置された。ECAPMOは調達に関しての効率的な調整を図るべく政府関連組織の調達を一括で管理する新組織であり、構成員は各省庁の代表で構成されている。

その中でも代表的な取り組みがFACNET(ネットワークを通じた電子調達システム)である。連邦政府機関はFACNETを通じて見積もり要求や発注を行うことになる。

このシステムによって、これまで省庁毎に分れていた調達プロセスが一元化できると同時に複雑な調達プロセスを簡素化できることになる。この調達プロセスの標準化と簡素化によって、中小企業を含む全ての業者に平等に調達への参加機会を与えることが可能となる。連邦政府の調達に参加したい企業は、一般的なEDIソフトを購入しVAN業者に登録するだけでこのFACNETに参加できるという様に民間にも間口を広げている。

図3−6に示すように、FACNETでは、電子データ交換が中心となるが、この電子データ交換の標準にはアメリカでのEDIの標準であるANSIX.12を使用している。調達を行う場合には、調達者は、調達システムを使用して調達情報をFACNETに送ることになる。この情報は、各省庁毎に設置されたゲートウェイを通じて仮想ネットワークの入り口に送られる。そして仮想ネットワークを経由して、認定されたVAN業者に接続して、VAN業者に登録した企業に情報が届くこととなる。

 

 

 

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